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ぽんぽこ日記

プログラミング、読書、日々の生活

旅のラゴス

旅のラゴス

筒井康隆氏の正当派SFファンタジーの連作。
同氏というと、スラップスティックや不条理な作品が有名だ。このような寓話的な作品というのは異色作の部類に入るといえる。知られざる名作と言っていいのではないかと思う。超未来(または超古代?)、科学技術を失った人類が住むどこかの惑星を旅する主人公ラゴス。本書は旅する主人公の半生を描いたものだが、旅の目的やラゴスの素性が少しずつ明らかにされていくストーリーテリングが巧い。
高度な科学技術が衰退した中世的な世界で所々現れるSF的要素は「風の谷のナウシカ」あたり-特にマンガ版-を想起するとわかりやすいかもしれない。
人生を旅にたとえるのは陳腐な表現かもしれないが、多くの読者はいつしか、数奇な運命を経て人生最後の旅にでる主人公に同化してしまうとおもう。周りからみれば充実した人生を送ったようにみえる主人公が年老いても求め続けたものは何だったのか。読後の寂寥感は何に由来するのか。人にとって人生とは何かを考えさせられる一冊。

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