ぽんぽこ日記

プログラミング、読書、日々の生活

クラウドの衝撃


クラウドを論じた本の中では一番評判が良いと言うことなので、読んでみた。

本を読んでいると本の趣旨とあんまり関係ない部分で感銘を受けることがあるが、この本にもそういうところがあった。

同書の中では、「ライフサイクル イノベーション」(ジェフリー・A・ムーア著 栗原潔訳)を引用する形で、企業活動を分析する上で、「コア/コンテクスト」分析という考え方を紹介している。


同書によると企業活動は、
^ コア| 顧客獲得のための差別化を生み出すプロセス|
^ コンテクスト|それ以外のすべてのプロセス|

に分かれる。

さらに直交する軸として

^ミッションクリティカル|問題があると重大かつ即時のリスクがもたらされるプロセス|
^非ミッションクリティカル|それ以外のすべてのプロセス|

たとえば、社内メールシステムはコンテクストだがミッションクリティカルな活動と言うことになり、たとえば、これをクラウドにアウトソースするのはコスト的に合理性があるとしている。

しかし、コアであり且つミッションクリティカルなサービスを外部にゆだねるのは複数の意味で避けるべきで、コンテクスト+ミッションな活動をアウトソースするにせよ、SLA(Service Level Agreement)の確認や外部サービスの事業継続性は十分に事前評価するべきだろう。

(余談だが、以前はこういうバズワードと言うだけで冷淡な気持ちになったものだが、少なくともこの手の言葉は「時代の雰囲気感」だけは表現しているのだろうという意味で一定の価値を感じるようになってきた。単に歳のせいでミーハーになってるだけかもしれない)
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