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ぽんぽこ日記

プログラミング、読書、日々の生活

【近況報告】本を書きました

今春、初めての著書を上梓することが出来ました。少し間が空いてしまいましたが、宣伝をかねて本ブログで紹介したいと思います。

何の本か

タイトルは、「データ分析が支えるスマホゲーム開発」という名前です。

データ分析が支えるスマホゲーム開発 ?ユーザー動向から見えてくるアプリケーションの姿?

データ分析が支えるスマホゲーム開発 ?ユーザー動向から見えてくるアプリケーションの姿?

2,3年前くらいから、IT業界の間では、いわゆる「ビッグデータ」というキーワードとともにデータ分析を活用して業績や顧客満足度を向上させる取り組みが注目されてきました。 なかでも、ソーシャルゲームと呼ばれるライトなオンラインゲームではプレイヤーの動向を、データから細かく把握して運営に役立てることが、新しい業態と言うこともあり、他のITサービスと比べても積極的に試みられてきました。

こうしたソーシャルゲームを運営する会社で、企画・運営に従事する立場の方が、データ分析をどのようにゲーム作りに生かしているかという事については、各社から公に発表されることがこれまでにもありました。

たとえば、ドリコムさんの「DAUを評価指標から捨てた会社の話」などは業界で大変反響を呼びました。

これに対して、技術的にどのように日々ゲームから生成される膨大な量のデータを蓄積して、処理して、人間が把握できるレベルまで要約するか、についての具体的な技術的ノウハウが公開されることは少ないように思います。

例外的に、DeNAさんは以下のような発表をされています。

しかし、この資料をご覧になれば分かるように、自前で大規模なHadoopクラスタを構築・運用するなんてことは、業界1,2を争うような大企業でなければなかなか出来ることではありません。

この本では、クラウド、具体的にはAWSを使って比較的安価にデータ分析基盤を構築するための方法論・ノウハウを、収集、蓄積、集計、要約という、データ処理の各工程に沿った形で紹介した本です。

どんな人に読んで欲しいか

ずばり、「最近データ分析を担当することになったけど、何をどうしていいか分からない」エンジニアに読んで欲しい本です。 この本は、分析の対象としてはソーシャルゲームを扱っていますが、ECサイトなどWebアプリケーション全般で応用が利く内容になっています。

経緯

2012年、職場の仲間のryer氏(@ryer)が、関西でソーシャルゲームの開発に携わるエンジニアの交流の場を創ろうと思い立ち、賛同したメンバーで「関西ソーシャルゲーム勉強会」という勉強会を立ち上げました。私も講演者の一人として、第1回、第2回の勉強会でデータ分析関連の技術を発表させてもらった のですが、勉強会の後のスタッフの打ち上げで、「いつかは技術書を書いてみたいんですよねー」とつぶやいたところ、同勉強会のスタッフで、すでにiPhone関連の本を複数著してこられたid:ku-sukeさんが、「知り合いの編集者が、データ分析関連のテーマで本を書ける人探してるんで、連絡してみましょうか」となりまして、出版の話が進みました。その後、私の事情で執筆が遅れてしまったのですが、今年の4月に無事出版することが出来ました。

以前から、そこそこ本好きだった私は、「いつかは自著をもちたいな」と漠然と思っていました。しかし、まさか勉強会で発表することが、自著の出版にまでつながるとは、コミュニティ活動を始めたときには想像も付きませんでした。なにかを叶えるためには、アウトプットすること、行動すること、願望を人に伝えることは大事なんだとつくづく思いました。とくにコミュニティ活動をすることは非常にメリットが高いと感じています。

出版後の反響

なんと言ってもうれしかったのは、いつも愛用しているジュンク堂書店の各店舗でプッシュして頂いたこと。日頃、一人の本好きとして、よく利用している書店に自分の本が並ぶなんて。 「本当に本を出したんだー」という感慨にふけることが出来ました。

データ分析が支えるスマホゲーム開発

出版して半年近くが経ちましたが、残念ながらアマゾンのレビューでは、あまり良い評価が付いていません。特に多いのが、想像していた内容と違うというもの。データ分析についての本というと、どうしても分析手法、データの解釈の仕方について書いた本だと思われる方が多かったようです。本の紹介文には技術寄りの内容であることを説明したつもりなのですが、なかなか伝わらなかったようです。

最近でこそ一部の人のあいだではDMP(Data Management Platform)という言葉も定着しつつありますが、内容を正確にタイトルに込めて読者に伝えるのはなかなか難しいことだと思いました。

書いた内容に触発された方もいらっしゃるようです。

ツイッターの反応など。

書評ブログを書いてくださった方も。

データ分析は、収集、集計、可視化。 | 三度の飯とエレクトロン

一方で、ブクログという読書サイトでは好意的なレビューも多いので、参考にして頂ければ幸いです。

『データ分析が支えるスマホゲーム開発 ~ユーザー動向から見えてくるアプリケーションの姿~』のレビュー 越智修司 (kuniomitakahashiさん) - ブクログ

最後になりましたが、本のデザインやタイトルが↓の本に似ているというご指摘も受けました。

[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術 ?スケーラビリティ、ハイパフォーマンス、省力運用 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術 ?スケーラビリティ、ハイパフォーマンス、省力運用 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

  • 作者: 安井真伸,横川和哉,ひろせまさあき,伊藤直也,田中慎司,勝見祐己
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2008/08/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 133人 クリック: 2,270回
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同書の著者の一人でもある、有名なエンジニアの方にも言及されてしまいました。内容についてはほめて頂いているので複雑な気持ちです。

この本、IT業界のエンジニアでは知らない人がいないほどのロングセラー本です。私も本を書くときに、到底この本には及ばないとは思いつつも、領域こそ違え、インフラ構築を扱った本として、目標として意識はしていました。

本が出たら全ての責任は著者にあるわけで、言い訳はしませんが、率直に言ってこのデザインになってしまったことは私の本意では無く、残念にも思っています。

まして、この本は私の同僚・先輩のエンジニアが書いた本であり、こんなすごい本を書いたエンジニアと同じ会社で働いているということに、特別な敬意と誇りを持っていたので、よりによって、と言う思いはぬぐえません。

自分は未だにデザインが決まった経緯を知らないのですが、もう少しプロセスの細部に目を配るこことで何かしら違う方向に持っていくことが出来なかったのかというのは反省点です。

もちろん、私一人で本を出したわけでは無く、本を出すまでにはたくさんの人の貢献で成り立っています。いくら自分が本を書きたいと思っていても、市場のニーズとタイミングが合って、なおかつ人の縁がなければ成り立ちません。もう二度とこんな風に有名出版社から本を出すチャンスには巡り会えないかも知れません。関係者の方々にはそういった感謝の気持ちでいっぱいです。しかし、であれば、なおさらより良い形に出来なかったかという思わずにはいられないのです。

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