ぽんぽこ日記

プログラミング、読書、日々の生活

フリーランスになって3年間の振り返り

2014年5月末に会社を退職し、フリーランスエンジニアになって丸3年になりました。この3年間を振り返ってみたいと思います。

フリーランスになった理由

フリーランスになるまでの経緯はこのへんに詳しいです。

ponpoko1968.hatenablog.com

その時、当然ながら転職という選択肢もあったわけですが、独立という選択をした理由として、かれこれ十年近く前から家庭の事情で、在宅で仕事をする必要があったことが大きいです。*1

20代の独身の頃ならいざ知らず、私のような年齢での独立と言うことで、それなりの不安はあるわけですが、一方で多少のリスクを支える条件にも恵まれてもいました。

いくつか挙げると、

  • 家賃や住宅ローン等の、住まいに関する支出がほとんどなく、大きな固定支出が割とすくないため、家計にたいする不安が比較的低いこと
  • 妻の親と同居しており、長時間家を空けるのには不安があるが、筆者が家にいる(働いている)ことで、妻が外で働くことが出来るというメリットがあること。(妻は専門的なスキルを必要とする仕事に就いているため、時間あたりの収入がやや大きいのです)

あと、リンダ・グラットン氏の著書を読んで、これからの時代の働き方を実践してみたいというのもありました。分別ある大人のすることではないですね(笑)

最初の仕事

最初の仕事は日報共有サービス「gamba!」のiOSアプリをお手伝いしました。

「gamba!」は、KLab時代の同期である森田昌宏氏が、KLabから楽天を経て起業した会社で、同社を起業した頃からiOSのアプリの進め方(Appleとの手続きなど)相談に乗らせてもらっていて、その流れでiOSのアプリをお手伝いしました。

www.getgamba.com

その後、経営戦略上の判断で、PCブラウザ、スマートフォン上のサービスをすべてSPAで提供することになったため、今のストアにあがっているiOSアプリは筆者の手になるものではありませんが、サービスの立ち上げ時期にモバイルで使える状態に出来たことは、このサービスの性格上、一定の貢献ができたのではなかったかと思います。

仕事はどうやって取ってるの

いまのところ、大きく分けて2つの流れがあります。

ひとつはKLab時代からお付き合いさせていただいていて、独立の際にもなにかと相談に乗っていただいていた、株式会社ソーマの障子貴裕社長にお声がけいただき、同社の技術顧問の肩書きをいただいています。こちらでのお仕事は受託開発が主となるので、詳しくはお話しできませんが、同社は大阪のエンジニアリング系の開発会社との結びつきが深く、土木/公共インフラと言った領域でのスマートフォン・タブレット活用の案件でお手伝いさせていただいています。技術領域としては、GIS、iBeacon、ARなど、リアル世界とITを結びつけるような技術が中心です。こういった、名前はよく聞くものの、実現例が少ないような技術を実際に適用でき、なおかつ公共性が高い案件を担当させていただいているので、とても感謝しています。

もう一つの流れは東京のスタートアップでのお仕事です。

こちらはおもに人づてにお仕事を紹介してもらってジョインすることが多いです。昨年から今年にかけては、下記の2サービス:

ponpoko1968.hatenablog.com

ponpoko1968.hatenablog.com

をお手伝いさせていただきました。

時々、直接コンタクトを取って会っていただくこともあります。筆者の場合、前職のKLab株式会社が東京に本社をおく会社であったため、これまで自分の地元の神戸では、仕事上のお付き合いを持つことがほとんど出来ませんでした。神戸でWeb・スマートフォン系の開発をされているフェイスクリエイツの大山雄輝社長には同社のサイトのコンタクトフォームから連絡して、お目にかかることが出来ました。同社はスタンプラリーのクラウドサービス「Rally」や、「マイキーボード制度」などユニークなこころみでも知られ、執筆歴が多数あるような優秀なエンジニア陣が在籍する会社です。

www.faithcreates.co.jp

同社を訪問させていただいたとき、大山氏には、

「じつは、技術者の売り込みってお断りすることが多いんですけど、しらべてみたら越智さんはいろいろアウトプットされていて、一般的なエンジニアとはちょっと違うようだったから、お会いしてみたいと思いました」

といったことを仰っていただきました。アウトプット大事ですね。じつは後で知ったことですが、氏は神戸のIT業界のキーマン的存在で、元々共通の知り合いが多かったり、その後も社内勉強会に呼んでいただいたり、Code for Kobeの活動に誘っていただいたりと、公私ともにお世話になり、ご縁を感じています。

今後も地元に貢献できるような動きを続けていきたいと思います。

あと、筆者の場合、ベンチャーキャピタルの人にもお世話になっています。VCの方はその仕事の性格上、日頃から数多くのスタートアップに接していて、各社が抱えるいろいろな課題や目標を把握しているハブ的な存在といえます。そうした課題の中でも、エンジニアの確保というのは多くのスタートアップに共通するテーマです。

そんなわけで、VCの方なら、そうしたスタートアップと、我々エンジニアを結びつけてくれるのではないかと考え、準備期間中からコンタクトをとるようにしてきました。

とりわけ、Skyland Venturesの木下代表にお会いしたときは、筆者との面談中、思い当たる会社のかたにつぎつぎと連絡をしていただき、そのうちの1社の方とは翌日には会える算段を付けて下さいました。その会社とは1年近くお手伝いさせていただき、当時の開発のマネージャだった方とは今でもお世話になっています。まさにベンチャー界ならではのスピード感で対応いただき、感謝しています。氏は「世界で一番会えるベンチャーキャピタリスト」を自称されているので、起業を志す方のみならず、スタートアップに関心のあるエンジニア、特に若い人はどんどんコンタクトすると良いと思います。

labs.skyland.vc

さて、実際の勤務形態としては、上述のような事情なので、客先のオフィスに常駐することはなく、基本的にリモートで自宅で作業しています。例外としては、ある会社さんに週1回、数ヶ月ほどアドバイザー的な立ち位置で通ったことがある程度です*2。東京のクライアント様の案件については、リモート会議で定例をおこなって、月一回程度出張して直接話すような体制です。

なって良かったこと

フリーランスや在宅勤務のメリットデメリットはいろんな人が書いていて、だいたい同じ感想を筆者も持っているので、本稿では繰り返しませんが、一点だけ、在宅勤務のメリットであまり書かれていないこととして、冬場の感染症リスクを低減できるのではないかという点があります。

www.ikedahayato.com

これまで、いろんなプロジェクトに参加してきましたが、冬の時期になると社内チャットやメーリングリストが、インフルエンザやノロウイルスが原因による、病欠の連絡で埋め尽くされると言っても過言ではありません。筆者の場合は高齢者と同居しているので、この種の病気は本当に命に関わります。過去、オフィスで感染症が拡がってプロジェクトの進捗に深刻な影響が出たことも実際あります。人混みへの外出を避ける事が出来るのは大きなメリットと言えます。

これからどうするのか

基本的には今の体制を続けたいと思っていますが、今後はもっと時間を有効に使って、個人でやりくりできるような小さなオリジナルのサービスをいくつか立ち上げられると良いなと思っています。

一方で、上述のように事情ドリブンなところがあるため、フリーランスという就業形態自体に強いこだわりがあるわけでもなかったりします。今の働き方を維持できて、筆者の持っているものがお役にたてて、ビジョンに共感できる会社であれば、そういうところに少し深く関わることが出来ても良いかなとも思っています。

技術面では、現在主力のiOS開発に加え、最近はReact/ReduxによるWebフロントエンドに取り組んでいます。また、前職で関わっていたデータ分析のお話をようやくいただけるようになりつつあり、この方面を拡げていきたいと思っています。この辺の取り組みについては近いうちに何らかの形で公開できるのでは無いかと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

*1:KLab時代も、週に1日だけリモートワークを許可してもらっていました。

*2:フリーランスの中にも何年も同じ現場に通勤して、常駐されているかたもいるようですが、それだったら就職してしまった方がいろいろ有利なんじゃ無いかと思うんですが、どうなんでしょうね