ぽんぽこ日記

プログラミング、読書、日々の生活

50歳からの読書術

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筆者は比較的読書が好きな方だと思っており、当ブログでも本についていろいろ書いてきました。しかし50歳に近づくにつれ、なかなか思うように読書をしづらくなってきました。

中高年の読書を阻むもの

加齢によって読書を阻む原因の最大が老眼です。老眼なんてもっと先の事。。だとばかり思っていましたが、45歳くらいから紙の本の活字が読みづらくなってきて、集中力が続かないせいで読書量が減ってきました。

活字が見えにくいことと、老眼になってきているということがなかなか結びつかず、もどかしい思いをしていました。

老眼鏡を作ってみたものの、読みたいときに常に手元に置いておくのは意外と大変です。安価なリーディンググラスを、家中の各所においておくという人もいるようですが、筆者の場合、乱視が入っているため、高価なカスタムメイドのものが必要なので、なかなかそのような方法もとりづらいこともあります。

筆者が試行錯誤の中から見つけた、電子書籍と紙の本を組み合わせることで読書を快適にする工夫を紹介します。

中高年こそ電子書籍を活用しよう

そんなころ、アマゾンのKindle端末*1を買って試してみたところ、この問題に一つの光明が見えてきました。キンドルでリフロー可能なコンテンツを読む場合、表示するフォントサイズ(活字の大きさ)をかなり大きく設定できるのです。

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これくらい大きいと裸眼で読めます

電書VS紙の本をどのように解決するか

しかしながらすべての書籍が電書になっているわけでもありません。たとえば村上春樹氏の主要な著作はほとんど電書になっていません。

また、そもそも電書にむかない本というのはあります。筆者の場合で言うと、IT技術書の類いは電書にむきません。こういう本は紙の本で買います。 また筆者は電書の中でもKindleのような電子ペーパー端末で読む本とiPadのようなカラー液晶タブレットで読む本も区別するようにしています。

電書と紙の本、向き不向きは何に起因し、どちらを選ぶかはどのように判断すれば良いでしょうか?

筆者はこうした判断基準を「シーケンシャル性」「ビジュアル性」の二つの要素で考えるようにしています。

シーケンシャル性とは

皮肉というか意外にも、電子書籍はランダムアクセスが苦手です。ランダムアクセスとは任意のページを行ったり来たり参照することです。ランダムアクセスする典型的な書物として各種の「辞書」が挙げられます。辞書を電子化するに当たっては、目的・内容に応じて専用のアプリが用意されていて、それらを使用するのが一般的です。辞書の類いが一般的な電子書籍のアプリ・配信システムではあまり利用されないのも、これらのアプリがあまり多様なランダムアクセスに対応していないことによるのだと思われます。

筆者の専門であるIT技術についての本もランダムアクセスを必要とすることが多いジャンルです。それぞれの技術分野・製品には数多くの関数やコマンドが存在し、それらの詳細を必要に応じて参照するような用途が多いためです。このような用途では、本の最初から終わりまでを通読するのではなく、紙の本を使ってページをパラパラめくって眺め、自分がそのとき必要とする部分を集中して読み(たいていの場合何度も読み返します)、それほどでもない部分を流し読みするなど、強弱をつけた読み方をします。

ランダムアクセスの反対の概念がシーケンシャルアクセスです。シーケンシャルにアクセスするとは要するに、本のはじめから終わりまで順番にページを読んでいくようなタイプの書物です。

シーケンシャルな内容をもつ代表的なジャンルとしては、言うまでもなく小説・フィクションの類いがこれに相当します。こうした本は電子書籍で読むのに適しています。本をどこまで読んだかをクラウドで集中管理してくれるので、同じ端末を持ち歩かなくても、ネットにつながっていればどの端末からでも最後に開いたページから読書を再開する事が出来ます。筆者の場合、Kindle端末を防水ケースにいれて、風呂場に常備しており、入浴時にはこれを使って読書します。電車の待ち時間などの隙間時間などには、スマホ版のKindleアプリを使って少しずつ読み進ます。

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湯気で曇っても読みやすいよう、大きめの文字設定にしています

最近防水モデルが発売されたようで、ちょっと検討中。

ビジュアル性

Kindleは電子ペーパーを用いているので目が疲れにくく大変重宝しているのですが、いかんせん画面が小さいことと、白黒表示というデメリットがあります。 これらの弱点は、コミックを読む場合は特に気になります。日本市場向けにはコミックに特化したKindle端末が売り出されるなど、Kindle端末でコミックを読む人は相当数いるのでしょうが、筆者はちょっとつらいと思いました。

コミックというのはシーケンシャル性を満たしている一方で、ビジュアル性も高いため、このようなコンテンツについては大画面で、カラー高精細液晶をもつiPad Proで読むようにしています。

まとめるとこんな図になります。

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個人の心情的には、紙の本への愛着はあります。しかし本というものは読まなければ価値はない訳で、読むために最適な媒体はなにかを選ぶように考えて、いまのところこの図のような判断基準を採用しています。

年齢や読書に関してはこんな過去記事もどうぞ。

ponpoko1968.hatenablog.com

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*1:以下、本記事で「Kindle」と表記する場合は電子ペーパー採用の読書専用端末を指します