先日、知り合いの依頼で、岸和田市立山直(やまだい、とよみます)中学校で、1年生数十名を対象に1時間ほど話してきました。
これは職業講話という、民間のいろいろな職業に就いている大人から、自分の仕事について話してもらい、将来の進路への理解を深めてもらうという趣旨の学校の行事だそうです。医療関係の方、美容師さん、元プロ野球選手といった、中学生にも比較的わかりやすい職業の方を始め、岸和田という土地柄らしく、だんじり職人の方もこられていたようです。(自分も話を聞いてみたかった)
題目が「SEになるには」というタイトルだったので、SEということばについてややネガティブ気味に(笑)説明した後、自分の職業はどっちかというとプログラマで、SEと呼ばれている職業とプログラマに、本来上下の隔たりはないという前置きの話をしました。
その後、事前に生徒さんからもらっていた質問を踏まえ、こんな話をしました。
Q. プログラマ(SE)になるにはどんな資格が必要ですか
A.プログラマになるには資格は必須ではない
医師や弁護士とちがって、資格がないとプログラミングしちゃいけないってことはないので、今日からプログラム書こう。プログラムが書けたら今日からプログラマを名乗ってもいいよ。
(enchant.jsの画面をみせて、今はブラウザさえあればプログラムを習い始められることを説明。)
資格は必要と感じるときが来るかも知れない(来ないかも知れない)から、必要と感じたら勉強して取れば良いと思う。
Q.どんなときにやりがいを感じますか
A.自分の作ったものが動いたとき。そしてそれが人の役に立ったときかな
たとえば、電車の中で自分や仲間が作っているアプリを使っているのを見たときとか、雑誌やWebで紹介されているのをみたときとか、素直にうれしい。プログラムの世界では、自分の作ったものがたくさんの人に使われる可能性がある
Q.どんな科目を勉強すれば良いですか
A.英語、国語、数学の順かな
英語
IT技術は主に英語圏の人が中心になって作ったものだからプログラミング言語も英語が元になっているし、世界中の人が英語でコミュニケーションしているから、まずは英語が出来ないと、出来ることや成長に限界がある。
国語
プログラムは一人で作るものではなく、チームで作るもの。人の話を聞いたり、自分の考えることを正確に伝えるためには国語力をつけないと。なんでもいいから本をたくさん読むこと、文章をたくさん書くこと。
数学
プログラムが上達してくると、作りたいものが作れない壁にぶつかる時期が来ると思う。その壁は数学の力で破れることが多いから、数学を勉強しよう。
プログラマ出身の大金持ちもいるよ
ビル・ゲイツ、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、マーク・ザッカーバーグなどを紹介。この人たちのように、最初は一人(二人)でプログラムを書いて起業して、その後大成功した人もいる(日本にもいる)。そこまで行かなくても、これからますます、プログラムが書けることがお金になる世の中になると思う。
所感
講義のあとしばらくして、生徒たちからの感想文をもらいました。 SE=資格=勉強=しんどい、っていう図式が生徒さんの頭に強くあったらしく、もっと気軽に始めてもいいんだ、ってことがわかってもらえたようで良かったです。
担当の先生にenchant.jsの本を渡したので、こういう本を見ながら見よう見まねで始めてもらえたら良いなと思いました。
あと、仕事の話をする以上、稼げる職業かどうかはきっちり伝えることが大事だとおもったので、夢をまじえて話しました。
そうしたら、感想文に「そんなに儲かる仕事とは思ってなかった」と書いていた生徒さんもいました。
実際のところ、われわれITエンジニアの地位・待遇は、日本ではまだまだではありますが、彼らには、スキルを武器にして、日本にこだわらずどんどん海外にも出て行ってもらって、充実した人生を送って欲しいものだと思いました。