仕事で使うPC環境に、Ergodoxキーボードを導入した記録です。
購入
十数年来愛用していたMicrosoftのErgonomic Keyboard Eliteが壊れて以来、納得のいくキーボードに出会えず、いろいろ探していたのですが、今年の春頃、完成品として購入できるErgodoxEZを購入しました。当時はCherryスイッチを使ったモデルがなかったので、gateronというメーカーの赤軸モデルを選びました。
一旦挫折。。
一ヶ月ほど工夫しながら我慢して使ったのですが、挫折しました。 とにかく使いづらくて、仕事も忙しくなってきたこともあり、元使っていたキーボードに戻してしまいました。あまり使いづらさの原因を分析する余裕もありませんでした。
リベンジ
その後、左右分割式のキーボードへの未練は捨てきれず、MiSTEL社のBAROCCOというキーボードを買って使ってみることにしました。スイッチはCherryの茶軸です。
これはかなり手になじみました。
なぜBAROCCOはErgodoxと違ってなじめたのかを考えるにつれ、Ergodoxの何が合わなかったかが分かってきました。
(1) BAROCCOはキー配列が一般的なキーボードのように、行ごとに左右にずらしてある。(Ergodoxは各列のキーが格子状に配置しているのが売り(Ortholinearというらしい)ですが、長年間違った指で[O]や[I]を打っていたらしく、これが左手の母音のキーの打鍵ミスを誘発する原因となっていたようです。) (2) 茶軸のクリッキーな感触と音が気持ちいい。gateron赤軸はいつキーが入ったのかフィードバックが分かりづらく、意図しない打鍵が起きることが多かった
(3) しかもgateron赤軸のタッチは自分には軽すぎて、さらに打鍵ミスの原因となった
(4) 右手のキーが少ない(マイナス記号や、角括弧、波括弧のキーがない)せいで、記号が打ちづらい。
Ergodoxは桁外れに柔軟なカスタマイズ性を持ち、しかも力の強い親指をいろいろ活用できることから、なんとかリベンジしたいと思い、検討してみることにしました。
問題は大きく分けてスイッチの問題とキーポジションの問題に分かれます。
まずキーポジションの問題。本当に克服できないのか、4,5日Ergodoxをつかって下記のソフト*1で練習を続けたところ、スイッチの軽さによると思われるミスタイプの発生という問題は残ったものの、なんとか適応できそうな見通しが立ちました。
こうなると、スイッチの問題については、解決はシンプルです。もう一台ErgodoxEZを導入することにしました。
こんどはCherryのクリア軸というクリッキー系で一番重いスイッチを使ったものを購入しました。ちょっと重すぎたかなと思わなくもない*2ですが、軽すぎてミスタイプするよりよっぽど良いです*3。
さて、(4)については、レイヤー1枚をまるまる記号用にあてることでわりとあっさり解決しました。むりにレイヤー0にすべての記号を押し込もうとするより、やってみると快適でした。この辺はLet's Splitというミニマルな左右分割型キーボードの使い方が参考になりました。
現状のキー配列は下図の通りです。赤字がレイヤー1に割り振っている文字です。ちなみに、左の一番下がCtrlキーになっているのは、筆者が小指の付け根でCtrlキーを押す習慣があるからです。
ついでに、Shineモデルを買ったので、keymap.cに少しパッチを当てて、ブラインドタッチ中も選択中のレイヤーがよくわかるようにレイヤーごとに背面LEDの色が変わるようにしました。
まとめ
結局高い授業料を払うことになりましたが、キースイッチの大事さを実感しました。今後も改良を重ねて、作業効率を上げていきたいと思います。
*1:MacOSX/iOS界の重鎮、荻原先生の作です。
*2:往年のPC98のVMシリーズの頃の打鍵感といえば分かる人にはわかるでしょうか。
*3:とはいえ、「p」などの小指で押すキーについてはちょっと重すぎるきらいがあり、Emacsユーザとしてはちょっとつらいので、一部のキーは別途軽めのスイッチに換装しようと思っています。ErgoDox の壊れたキースイッチを交換する - Okapies' Archive